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円安い いつまで? 【AppleTree勉強会、ビジネスに関するディスカッショングループ】

公開日 2024年05月27日

Q:

2021年の対ドルの為替レートは110円前後でした。ところが、2022年2月頃から大幅に円安がすすみ、今は155円です。投資についてはあまり詳しくないのですが、2022年以降、海外からの日本や日本企業への投資が減ったとは思えません。

2022年10月には対ドルの為替レートが149円に達しています。10年以上も110円前後を維持していた為替レートが、6か月で大きく円安にすすんだのはなぜでしょうか。

為替レートは需要と供給により変動すると思いますが、何が影響して、突然円安傾向になったのか、教えてください。

一白水星さんより

A:

Butterfly on Flower

 

 

まず、「コンプレックスダイナミクス」という概念をご紹介したいと思います。次に、米国の金融商品の広告に表示されるコピーで、「過去の実績は将来の結果を保証するものではない」という考え方をご紹介します。

ご質問の回答を作成している現時点でもニューヨークで変化が起きていますが、外国為替市場は真にグローバルで分散化された市場であり、毎日24時間、週6日で約70億ドルが取引されている他に類を見ない市場です。これにより、市場に対して作用する複雑な動力(コンプレックスダイナミクス)が

生じます。ある状況下で市場を一方向に動かした要因が、似たようなシナリオで同じ効果をもたらすとは限りません。したがって、過去の実績に関するポイントが重要です。

 

 

 

 

 PostIt Note with lightbulb

 

 

 

 

なお、ご質問に対してできるだけ正確に答えるよう努力をしますが、投資は常に将来を見据えたものであることを忘れないでください。

RISK(リスク)

Risk Typography

市場について話す際に知っておくと良い用語や概念には、「フライト・トゥ・クオリティ」、「リスクオン」、「リスクオフ」があります。「フライト・トゥ・クオリティ」と「リスクオフ」は、現状から次に何が起こるかを合理的に予測できないときに、トレーダーが最もリスクの少ないシナリオに基づき判断することを指します。「リスクオン」はその反対で、トレーダーが今後の状況が一定期間は安定していると感じたときに、追加のリスクをとっても問題ないと判断をすることを意味します。

コロナのパンデミックが始まり世界経済や人々の生活が停止したとき、株式市場はリスクが高いと感じた多くの人々が株を売却し、現金に換えました。現金を安全に保有する手段としてよく米ドルが選ばれますが、米ドルだけにするのはリスクが高いと感じ、人々は現金を円や他の価値の高い資産に換えました。多様化が重要と考えられていることからも、「リスクオフ」のシナリオでは、円は良い選択肢の一つです。

2022年以降、世界経済が再開するにつれ、人々は市場に戻り、リスクを取り始めました。「リスクオン」です。したがって、資産を安全な方法で保有するのではなく、どのように活用するかを考えるようになりました。インフレが他の国々よりも低く、AIへの投資、公共事業、強力で活発な消費者を持つ米国が投資先として最適ということから、お金は米国市場に流れ始めました。

前向け

financial graphs

 

 

前にも書きましたが、投資は将来に関するものであり、過去の実績は将来の結果を保証するものではないということを忘れないでください。

労働市場が逼迫し、住宅不足、エネルギー価格の上昇が一方にありますが、ビジネス環境が強靭で消費が依然として堅調であるため、米国の金利は5%前後で安定しています。これにより、利率差と呼ばれるシナリオが生まれ、利回りを求める投資家がさらに多くの米ドル資産を購入するようになります。

日本銀行が金利を引き上げた場合、円は強くなるのでしょうか?分かりません。ただ、米ドルが強い一方で、円は他の通貨に対しても弱くなっています。今後も弱い状態が続くのでしょうか?分かりません。ミスター円(榊原さん)は数年前に円が180円まで下落する可能性があるとコメントしましたが、彼の最新の予測は不明です。

通貨は他の市場と同様に供給と需要に左右されます。私は予測ビジネスには従事しておらず、通貨取引もしていません。しかし、政府および企業の政策を注視しています。これらの政策が円の需要を促進する可能性があるかどうか、その政策が持続的な影響をもたらすかどうか、その政策が重要なものであるかどうか、それらの政策がより大きな投資をもたらし、投資家にとって魅力的であるかどうか等が重要なポイントです。

ビジネスに関するディスカッショングループ

AppleTree勉強会では、英語が母国語ではない人たちが集まり、上記のようなビジネスに関するディスカッションができる場を提供したいと考えています。TOEICスコアが750以上の方、750未満の方それぞれに対して適したオプションもご用意しています。また、2024年末までの間、毎週月曜日と火曜日に開催しているグループディスカッションセッションに新規申し込みをした方は、特別価格にてご参加いただけます。是非この機会にAppleTree.tokyoにアクセスして、まず無料トライアルをご体験ください。